ノートルダムの音と色

ノートルダムステンドグラス

目の前に現れた、壮大な光の輪。
20年前、パリの街歩きで、ふと立ち寄り、ノートルダム大聖堂を訪れたときのこと。
内部の大空間は、重厚なゴシック建築の外観からは想像もできないステンドグラスの美しい色彩が広がっていました。

白い祭服に蝋燭を持ち、歌を歌う人々。響き渡る祈り。巧妙な光の色と、祈りの音が共鳴し、偶然立ち会うことができたミサの儀式は、厳粛で神秘的な雰囲気でした。

「音と光と色」の美しさを想うと、ひときわ記憶から蘇ってくる風景です。

ノートルダム大聖堂のアーチ大空間

その姿は昨年焼失してしまい、世界中が悲嘆にくれているところです。しかし、先日、再建中の大聖堂では世界流行の新型コロナウイルス終息への祈りが捧げられたとのニュースを目にしました。「大聖堂は半壊したけど命はまだここにある」と、人々を悼み、希望を持つように訴えかけたとのこと。

大聖堂という建築物にみるように、人はこころの豊かさや平和の象徴として、魂の音の響きや眩い色彩を奏で、そこに優越した美しさと神秘性を見ているのだと思います。
今始まったばかりとも言える、この世界中を襲うウイルスとの闘いが少しでも早く終息し、世界の人々の命が守られることを願います。
そして文化と芸術に触れることができる日常、大切な命が見えないウイルスの脅威から解放される日がくることを願ってやみません。