時折、思い出す風景がある。世界が広いことを思い出させてくれる風景である。
マナリー発のミニバスにゆられること20時間。インド北部のラダック地方のレーに陸路で向かう道のりは、標高5000メートル級の峠を越える、空と大地だけが連続する風景だった。
星の散る夜空から朝焼け、紺碧の空から夕焼けに変化する天空。広く広く、走れども走れども、荒涼とした起伏ある大地は果てることがない。薄い空気と強い日差し。明らかに空に近づいている。 空と大地との境目を走り、丸い地球の片に自分がいることを、その空の向こうに宇宙が広がっていることを想う。
コロナで閉鎖的になりつつあるこの頃、世界は広いことを時折想いだしています。
一方、室内環境は個の建物の中のことですが、その建物は地球上の一部であり、宇宙とつながっています。私たちは光や熱エネルギーを享受しています。快適な室内環境を考える時、個の単位だけでなく、自然エネルギーのめぐみを採り入れた自然で安全なお部屋づくりが大切だと思います。